芥川賞と直木賞って同時に発表されますよね?
普段そこまで本を読まない私は、そこでふと疑問に思ってしまいます。
- そもそも芥川賞と直木賞の違いって何?
- ぶっちゃけ・・・どっちが凄いの?
と・・・。
この記事では、上記疑問に対する答えをできるだけわかりやすくまとめてみました。
この記事を見に来たあなたもそんな私と同じ思いだと思いますので、最期まで見て頂けたら幸いです。
芥川賞と直木賞の違いをわかりやすく解説!
早速ですが、芥川賞と直木賞それぞれの概要を確認してみましょう。
- 芥川賞
-
正式名称:芥川龍之介賞
ノミネート作品の特徴:短編~中編までの短い『純文学』作品
(※純文学とは「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いた小説の総称)
受賞対象者:新人作家
- 直木賞
-
正式名称:直木三十五賞
ノミネート作品の特徴:中編~長編までの長めの『娯楽性』が高い作品
受賞対象者:中堅作家(既にデビュー済の作家)
芥川龍之介さんは超有名作家なんで文学素人にもわかるんですが、直木三十五(さんじゅうご)さん[本名:植村宗一さん]に関しては正直私は知らなかったです。
芥川龍之介さんの代表作の「羅生門」は中学の時の夏休みの宿題で感想文を書いた時に読みましたが、短めで読みやすかった記憶があります。
他にも「鼻」「蜘蛛の糸」など、比較的短編でまとまっているのは比較的容易にイメージできますが、一方で直木三十五さんの代表作を調べると「南国太平記」や「日本剣豪列伝」など、歴史が好きな人に受けそうな作品が多いことが想像できますよね。
その各作風の違いが、そのまま受賞対象作品の選考基準の違いになっているところが、なるほど!!と合点がいきました。
これをわかりやすく言い替えると、
- 芸術性を重んじる芥川賞
- 娯楽性を重んじる直木賞
と明確に棲み分けされていることになります。
また、受賞対象の作家も両者で異なっているというのも【明白な違い】です。
- 【新人作家】が対象である芥川賞
-
作品よりもその作品を書いた人物にスポットを当てて選考される
- 【中堅作家】が対象である直木賞
-
作品にスポットを当てて選考される
以上が、芥川賞と直木賞の違いをわかりやすくまとめた結果になりますが、両者の違いをしっかり認識できたでしょうか?
ちなみに、同時に発表されるのは、
なるほどですね。
同時に発表されることも、両者の違いがよくわからなかった原因の1つだったんですが、対象者も選考基準も明確な違いがあるので同時にやっちゃう方が効率的なわけだ・・・
芥川賞と直木賞はどっちが凄い?過去には同時受賞もあった?
芥川賞と直木賞の違いについては明確な違いがあることがわかったのですが、では作家目線で比べるとどっちが凄いのでしょうか?
そんな意見がネット上でよく議論されています。
で、これに関しては両者の違いにハッキリとした境界線があることがわかったので、
どっちが凄いかに関しては比較できない
これが正解であると個人的には思います。
思いますが、これまた個人的な意見になりますが、どうしても優劣を付けるなら
やはり新人の時にしか取れない「芥川賞」の方が価値としてはより凄い
という感じがしますが、あなたはどう思いますか?
野球と文学を比べるのはちょっと乱暴かもしれませんが、野球の新人王もその時にしか取れませんからね~
中堅作家が対象である直木賞は、何回でもチャンスがある・・・という風に考えるとやはり「芥川賞」の勲章というのは貴重だと感じます。
実は芥川賞と直木賞は年2回授賞式がある
今回芥川賞と直木賞の違いを調べて行く中で、その違いよりも個人的に意外だったのが、芥川賞と直木賞の授賞式が実は年2回あったことです。
具体的には、例えば
- 2020年度上半期 ⇒ 2020年7月に発表
- 2020年度下半期 ⇒ 2021年1月に発表
となっていて、この事実・・・案外知らない人絶対多いよな・・・と感じました。
あなたは知ってましたか??
芥川賞と直木賞を同時に受賞した人っているの?
結論から書くと、
芥川賞と直木賞のダブル受賞した人はいません。
理由は、新人が対象である芥川章を受賞すると直木賞のノミネートから対象外になるからです。
これは、芸術性を重んじた芥川章と娯楽性を重んじる直木賞で選考基準が違うことを考えても理解できますよね。
ところが、同時にノミネートされた作品が過去に2作品だけあります。
- 木野工さん「襤褸」(第66回/昭和46年下半期)
- 北川荘平さん「水の壁」(第39回/昭和33年上半期)
しかしこの2作品とも、結局どっちも受賞できませんでした。
二兎追うものは何とやら・・・ってことになるんですかね。
「芥川賞と直木賞の違い」まとめ
以上、「芥川賞と直木賞の違い」についてでした。
最期にもう一度わかりやすくおさらいしましょう。
- 芥川賞
-
ノミネート作品の特徴:短編~中編までの短い芸術性を重視した作品
受賞対象者:新人作家→作品よりも人物にスポットを当てて選考
- 直木賞
-
ノミネート作品の特徴:中編~長編までの長めの娯楽性が高い作品
受賞対象者:中堅作家→人物よりも作品にスポットを当てて選考
以上、芥川賞と直木賞に対するあなたのモヤッとに本記事が少しでも貢献できていたら幸いです。