家電量販店などに行ったとき、昔はその店の販売価格以外にメーカー希望小売価格や定価が書かれていて、お得感がありましたよね。
でも最近はパンフレット等でもほとんどの商品がオープン価格になっていて、相場を知らないといくら位安くなっているのかわからない状況です。
私なんかは、せっかく買いたい物の値段を見に行ったのに、『オープン価格』と書かれていたら興ざめしてしまいます。
まあ「価格ドットコム」などのネットで予め調べて行ったり、定員さんに聞けばいい話なんですが、定員さんを捕まえるのも一苦労する時って困りますよね。
- でも、いつからこんな風になったのでしょう?
- そもそもオープン価格とは何なのでしょうか?
あなたはちゃんと答えられますか?
ということで、この記事ではオープン価格にまつわる色々な疑問について調べてみました。
オープン価格と定価の意味の違いは?

まずは「定価」について確認しましょう。
商品の値段を表示するとき、「定価」と書かれていれば、それは
その商品のメーカーが決めた小売価格のこと
です。
よって定価を変えることは家電メーカーから認められていないので、安売りも普通は出来ません。
各家電量販店間で値下げ競争が活発になってきた時代にはそぐわないものとなったせいか、今や「定価」が表示されている物の方が珍しく、新聞や書籍位でしか目にしなくなってきましたよね。
その代りに多くなっていたのが
「メーカー希望小売価格」
というものです。
これは、
メーカーが小売店にその商品をこのくらいの値段で売ってくださいと提示している金額
です。
ただし定価と違って、小売店は必ずしもそれに従わなければいけないと言うわけではありません。
実際には小売店側が値段を決めることができる価格ということになります。
そして疑問が多く残る…
オープン価格。
これは、
メーカー側が小売店に売値を提示しないで小売店が自由に値段をつけることができる価格
というものです。
値段を小売店が自由にできるという事だけなら希望小売価格でも別に良さそうに思えますが…
なぜ今はオープン価格が主流になっているのでしょう?
希望小売価格や定価が書かれていていた方が、むしろどれだけ安くなっているか確認できて分かりやすい気がしませんか?
ところが、実はオープン価格が主流になった背景には、消費者保護の観点からの明確な理由があったのです。
オープン価格にはどんなメリットがあるの?

小売店が売値を表示するとき、メーカー希望小売価格とその店の売値を併記して安さをアピールしますよね?
そしてその差額が大きいほど消費者はお得感を感じます。
ところが実は商品には市場価格というものがあります。
市場価格とは、
「今現在一般的にはこのくらいの値段で取引されています。」
という値段のことです。
もし、メーカー小売価格が30,000円でも、市場価格が15,000円くらいだとしたら、小売店は値札に「50パーセントOFF」などと書くでしょう。
ぱっと見で半額なわけですから「安い!」って思っちゃいますよね。
うちの親もそうなのですが、他の店を見て周る人じゃなかったら、その店がものすごく値段を下げている(安くしている)ように見えてしまうことでしょう。
私だったらよく調べずに飛びついてしまいそうです。
80年代に、小売店同士の競争激化により、
のように本当は市場価格と同じなのに安さをアピールする店が多くなり、このような「二重価格」が常態化して問題になりました。
これに対して公正取引委員会が注意喚起し、
実際に取引している価格になるべく近い価格を表示するように!
ということになったのです。
小売店は希望小売価格に対して「何パーセントオフ!」などと表示して消費者にアピールしていたのですが、オープン価格となっていた場合、小売店は「元値より何割安い」のようなことは言えません。
このように、消費者が錯覚を起こさないようにという配慮からオープン価格が一般化したのです。
またオープン価格を表示する理由には、メーカーにもメリットがあります。
あちこちの小売店であまりにも割引率が高いと、いつでも安売りしているみたいで商品イメージが悪くなるからです。
しかし元がオープン価格ならそういう問題も起こりません。
それでメーカー側も積極的にオープン価格を採用するようになったのです。
今年、我が家は引っ越しに伴い冷蔵庫を一新したのですが、家電屋さんに行った時期がちょうどGWセールの直後でした。
全体的に表示価格は高めだったのですが、店員さんに聞くと、
逆にセールじゃない時期には、メーカーから補助金が出ることも多く、そのぶん安くできる
と言っていました。
定員さんに聞いて初めてわかったことでしたが、大々的に「○割引き!」と書いてあると
「何でこんなに安いんだろう?」
とか色々考えてしまい、ちょっと安い理由を疑ってしまったりしますから、裏側で値引いた方がお得感も感じますし、メーカーに対しても悪い印象は受けませんので、
オープン価格の方が双方にとってプラスだというのは間違いない!
と思います。
「オープン価格と定価」まとめ

オープン価格に対する疑問についてお送りして来ましたがいかがでしたか?
パンフレットに「オープン価格」と書かれていると正直めんどくさいなと思っていましたが、元々は消費者を守るためのものだったのです。
改めてまとめてみると…
オープン価格と価格の違い
- 定価とはメーカーが決めた価格で変えることができない。
- メーカー小売価格とはメーカーがこのくらいで売ってくださいと小売店に提示している価格で必ずしも守らなくて良い。
- オープン価格とはメーカーが小売価格を提示していないということ。
- オープン価格とは元々は消費者のために決められた価格表示方法。
- 安売り感を与えないため、オープン価格はメーカーにもメリットがある。

「オープン価格と定価の違い」いかがでしたか?
オープン価格って購入者、販売店、メーカーそれぞれに配慮したものだったんですね~!
今はネットやスマホがあるのでその場ですぐに「価格ドットコム」などのサイトで相場を調べることもできますし、結論としてはオープン価格も悪くないなと思い直しました。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
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